公益事業

【2018(平成30)年度 事業計画】



1事業目的

現代の多くの母親は、核家族化、少子化の時代状況の中で育ち、幼い頃から具体的な子育てに触れる体験や機会がないまま成長しています。しかも人間関係がほとんど解体した地域社会の環境の中で子育てをせざるを得ません。それによって子育て不安や孤立感を抱く母親が増加し、深刻化する児童虐待の心理的背景になっています。そのような状況での子育ては、将来的に子どもの精神的課題を生起することにつながります。

また、学校教育現場における「いじめ」や不登校児童・生徒の増加、学級崩壊等の現象は、ますます悪化しています。

「障害のある人の権利に関する条約」では、障害のある子どもについて、地域社会で生活する平等の権利の享受と、インクルージョンの考え方に立ち、障害のない子どもと共に成長できるような支援を提供される権利が規定されています。障害児支援が強化される中、児童福祉法では、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援が新設されました。しかし、放課後等デイサービスの利用によって、障害のある子どもの放課後生活が地域から離れたものになり、保育所等訪問支援が、障害のある子どもの早期における選別を進めかねない現状があります。
このような状況に対処するため、子どもの問題研究所(以下「子ども研」)は、課題を抱える母親への子育て支援、心理・教育相談に関する学校教育現場へのスーパービジョン、また「茨精研ICCAM」と協働での研究活動を通し、子どもの主体性と自由性を主軸においた「子育て・子育ち」課題に対処すべく、具体的、実践的活動を継続します。



2事業内容

1)相談員派遣事業
前年度までに引き続き、笠間市、桜川市、行方市において実施する乳幼児健康診査に相談員を派遣し、母子の抱える問題への早期対応、個別の育児相談を実施します。
これまで笠間市の健診は、笠間・友部・岩間の3か所で実施されていましたが、2018年度から、新設
「地域医療センターかさま」1か所で実施されることになります。
また、行方市における個別相談の対応日数が増加します。
乳幼児健康診査を経て発達障害等が発見された子どもの療育の場である、「日立市さくらんぼ学級」における、支援員へのスーパーバイズ及び保護者研修会講師としての対応を2018年度も継続します。


2)学校教育相談、児童・生徒指導支援活動
前年度までに引き続き、リリー文化学園リリーベール小学校へスクールカウンセラーを派遣します。ここでは児童への具体的対応方法について教師に助言することを中心に、必要に応じ児童へのカウンセリング、保護者へのカウンセリングを実施します。
また2016年度から、茨城県が実施する放課後児童支援員研修会において、「障害を持つ子どもの育成支援」の講師の依頼を受け対応していますが、今年度も継続する予定です。
その他、子育て研修会等への講師派遣依頼に随時対応します。


3)研究活動
2015年度、「茨精研ICCAM」と協働で作成してきた「子育て・子育ち援助・支援ガイドライン」(以下「ガイドライン」)が完成しました。「子ども研」がかねてから提言している「親がなくとも子は育つ」社会の創設のためには、子育てに関わる専門家が、現在の「子育て」がどのような環境にあり、それが「子育ち」にどのような影響を与えるのか共通認識を持つことが不可欠です。「ガイドライン」はこの課題を専門家間で共有するために作成しました。2016年度は、那珂市の指導主事研修会や潮来保育所の保育士勉強会等で、2017年度も、リリーアカデミーグループ幼児部門の職員研修会、放課後児童支援員研修会において活用しました。2018年度も引き続き研修会等において、「ガイドライン」を活用していきます。
また、市の保健センターでは、精神障害者のデイサービスを廃止する方向にある中、若い保健師が精神障害者支援について学ぶ機会がなくなっている状況にあります。
この課題に対し「茨精研ICCAM」と協働で、保健師を対象とした勉強会の企画を予定します。

 

3「研究所」の運営
1)所在地
水戸市見川1丁目1183番地の2 メゾン・ド・リヴィエールB102

2)「研究所」開設日
原則として、毎週水曜日及び土曜日午後
ただし、留守電及びFAXによる対応は随時行う

3)職員

職名 氏名 所属・資格等
所長 高橋 寿子  精神保健福祉士・レクリエーションコーディネーター
市町村乳幼児健康診査等相談員派遣対応
主幹相談員 高松 由加 常磐大学学生相談員
市町村乳幼児健康診査相談員