子どもの問題研究所

【 2025年度 事業計画 】

1事業目的

「子どもの問題研究所」(以下、「子ども研」)は、人の生涯にわたって生じる精神的課題への対処方略 として、幼少期からの「子育ち・子育て」援助・支援を位置づけ、2003 年の設立当初より子どもの主体性 と自由性を主軸においた具体的、実践的活動を継続してきました。これと相まって、人が共に地域の中で 育つことのできる社会の創造に寄与する課題を提言してきました。

現代の多くの母親は、核家族化、少子化の時代状況の中で育ち、幼い頃から具体的な子育てに触れる 機会がないまま成長しています。しかも人間関係がほとんど解体した地域社会の環境の中で子育てをせ ざるを得ません。スマホに依存した子育ては場当たり的で、子どもの将来的な発達が見通せません。それ によって子育て不安や孤立感を抱く母親が増加し、頻発している児童虐待の心理的背景になっています。 精神的課題を抱える母親を支える「ヤングケアラー」とよばれる子どもの存在も知られるようになっています。

学校教育現場においては、「いじめ」や不登校児童・生徒の増加、貧困家庭や発達障害児への対応の 課題が深刻化しています。

このような状況に対処するため、「子ども研」は課題を抱える母親への子育て援助・支援、心理・教育相 談に関する学校教育現場へのスーパービジョン、また「茨精研ICCAM」と協働での研究活動を通し、「子 育ち・子育て」援助・支援課題に係る事業を継続してきました。

2025年度は、市町村への相談員派遣事業が縮小し、NPO法人としての「茨精研・ICCAM」が終了したことを踏まえ、「子育ち・子育て」援助・支援課題に係る事業の在り方を検討してきました。その中で、現在の子どもを取り巻く社会状況の問題を、子どもの発達課題に対して直接かかわりを持つ子育て支援関係者が共有することが必要であることを確認しました。2025年度はそのような場作りに取り組んでいきたいと考えます。

2事業内容

1)相談員派遣事業

2025年度は2024年度に引き続き桜川市において実施する乳幼児健康診査(以下、健診)に相談員を派遣し、子どもの発達課題や保護者の抱える子育て課題への早期対応、個別の育児相談を実施します。

笠間市への相談員派遣は、笠間市で心理の常勤職員を採用したことにより2024年度をもって終了します。

2)研究活動

少子化、不登校、虐待、発達障害等、子どもを取り巻く社会状況の課題を共有し、これからの援助、支援の具体的方略に繋げるべく研修会等の実施を検討します。

その際、各課題に対する専門的知見を持つ外部講師への依頼を考えていきます。

3「子ども研」の運営

1)所在地

水戸市見川 1 丁目 1183 番地の 2 メゾン・ド・リヴィエールB102

2)「子ども研」開設日

原則として、毎週水曜日及び土曜日午後。 ただし、留守電及び FAX による対応は随時行う

3)「子ども研」運営会議

原則として、毎月 1 回土曜日午前

4)職員

職名 氏名 所属・資格等
所長 高橋 寿子 精神保健福祉士・レクリエーションコーディネーター
市乳幼児健康診査等相談員派遣対応
主幹相談員 高松 由加 常磐大学学生相談員
市乳幼児健康診査等相談員派遣対応